卒業生にインタビュー

こちらのページでは、学生図書委員会活動の一環で、
卒業前の3年次生に対してインタビューした記事の一部分を抜粋して掲載しています。
3年間を振り返ってどうだった?

令和2年2月の終わり、看護師国家試験を終え卒業を控えた27期生2名の協力を得て、学生図書委員会主催 のインタビューを行いました。

【出席者】
○ 卒業前の3年次生
Aさん(社会人出身) / Uさん(高校出身)
○ インタビュアー
令和元年度図書委員会・・・K委員(28 期生) / M委員(29 期生)

Ⅰ.学習方法&国家試験対策について

M委員 在校生の今後の学生生活の参考にさせていただきますので、AさんとUさん、どうぞよろしくお願いします。
それではまず、効果的な学習方法から伺います。1・2 年次生の間の過ごし方を教えてください。

Uさん

授業が基礎になります。終講試験で確実に合格できるように、わからないところはその日のうちに先生に質問するなり友達に確認することが必要です。また、遊ぶときと勉強するときはきちんと分けて、優先順位をつけて行動することが大切ですね。

Aさん

私は33歳で入学し、入学前は主婦で子育てをしていました。入学当初から始まる解剖生理学は 授業進度が早くて、最初は勉強方法を確立するのに苦労しました。ことばの意味を調べるために『看護医学電子辞書』を使用して時間短縮をはかりました。子どものことでやむを得ず欠席した日には、友達に授業内容を確認して翌日には遅れを取り戻すようにしました。2年次生になるとより専門的になってきて提出物も多くなるので、なるべくその日のうちに取り組んでおいて、課題をため込まないように心がけていました。また、2年次のうちから3年次の領域別実習を意識して事前学習として使えるよう授業で配布されたプリントを整理し、ノートまとめをしていました。

K委員 1日の勉強時間はだいたいどれくらいでしたか??

Uさん

テスト前は夜遅くまで勉強しましたが、そのほかは日によって違います。だいたい1~2時間といったところでしょうか。

Aさん

1年次生のときは復習を2時間ほど、2年次生になってからも私の場合は家庭があり帰宅後の学習時間を確保するのが難しかったので、課題は学校にいる時間を有効活用しました。ときには学校に残って1時間やって帰るということもしましたね。なので、自宅では1~2時間、テスト前で2~3時間くらいでした。

M委員 まずは解剖生理学が基本だと思うのですが、どのように勉強されましたか?

Uさん

基本は教科書ですが、サブでよく使った参考書は図書室にありました。私は絵を描き、見て覚えるタイプなのでイラストが多くわかりやすいものを選びました。また、教科書に付箋を貼って先生が説明されたことを書き込んでいました。配布されたプリント以外に先生が話しておられたことが意外とテストに出たりするのでその方法は効果的でした。

Aさん

私は参考書を一切使わずに教科書を最大限活用しました。ですから項目ごとにインデックスをつけて使いやすくしていました。とくに3年次になると巻末索引を引く時間ももったいなくて。

M委員 では、図書室の活用について教えてください。

Uさん

テスト前に集中したいときや、課題をするときによく通いました。本を探していて困ったら司書さんに相談もできるので、図書室をよく活用しました。

M委員 それでは、3年次に入ってからの国家試験対策について教えてください。

Aさん

春に自分が苦手なところを書き出して対策ノートを作りました。また、これは模擬試験を採点した時に間違えたところを書き溜めるノートでもありました。自分の弱点克服のためによく活用しました。模擬試験で自分がなぜ間違えたのか把握できるようにそのつど振り返りをしていました。

Uさん

模擬試験は受けっぱなしでは意味がないんですよね。

Aさん

そうそう。なぜ間違えたのかわからないままだと次も同じ失敗をしてしまうので。

Uさん

私も苦手分野のノートを作っていましたね。予備校の夏期講習は必修問題対策だけを受講して、そのときに自分の勉強スタイルを身につけました。講義と教科書を併せつつ、複雑なものも簡単に自分なりにノートを作るようにしました。

Aさん

とにかく自分に合った勉強法を見つけることが大切ですね。Uさんはイラスト描くけど、私は一切描きません。単語帳を作っている人もいましたよ。国家試験となると1から10まで頭に入れるというよりは過去問の傾向や国家試験に出題されやすいポイントがあるんです。

Ⅱ.臨地実習について

K委員 次は臨地実習についてですが、役に立つ事前学習の方法についてお話をお聞かせください。

Aさん

1年次の基礎看護学実習Iの前にとても頑張って事前学習ノート作ったんです。それからはそれをベースにして増やすだけでよかったから、冬の実習もそのぶん楽だったし。そのあとの成人看護学実習Iもそこに付け足していくだけでよかったんです。

K委員 事前学習のノートって手書きで作成するものですか?

Aさん

書き足したり付け足したりを簡単にできるなら、私は自分のやりやすい方法で良いと思います。

Uさん

私の事前学習は疾患に関係する解剖生理から、症状、看護、治療の目標とかをまとめるのですが、可愛いイラストを描いたり、シールを貼ったりして大事な部分を強調しました。

Aさん

事前学習って、正解はないですね。

Uさん

あと、母性看護学実習と小児看護学実習は初めての領域だったから、雑誌の別冊付録をコピーして貼るなど小さなノートに必要な情報を詰め込みました。マイ教科書みたいな感じです。

Aさん

ほとんどすべての実習は成人か高齢者なので、母性と小児のような特殊領域ってその授業のとき以外に勉強する機会がなくて…。

Uさん

病棟の実習指導者さんに質問された部分は付箋に書いて貼っておいて、完ぺきにしておきます。
そして、指導を受けた内容を次の実習グループに引き継ぎます。

interview03

K委員 それでは、実習中の過ごし方について教えてください。

Uさん

初日は情報収集、2日目はポイントを絞って情報収集するために患者さんへの質問の前に必要な項目をピックアップしてから臨みました。患者さんとのコミュニケーションが大切なので、カルテは時間を決めて閲覧します。1週目はめちゃくちゃ頑張って。2週目になったら援助が始まるのでお互いに介助に入るなどチームワークが大切です。

Aさん

1週目はとにかく頑張って寝る時間もないんですが、関連図が描けたら看護計画に入れるので、それからは自分の時間の組み方でいけましたし、関連図を描くまでは睡眠時間を削って2,3日頑張りました。週末だと多少夜更かしでも次の日に響かないし、実習中と同じスタイルでやっていました。

K委員 患者さんとの印象深いエピソードがあればお聞かせください。

Uさん

3年次の実習で余命わずかと告知を受けておられた高齢患者さんを受け持たせていただいたときの話です。患者さんはお話ができる状態ではなかったのですが声をかけて、ご家族とも話をするようにしました。すると徐々に打ち解けてきて、患者さんとアイコンタクトでコミュニケーションをとることができるようになり、手を握り返してくださるようになりました。実習最終日にはすごく別れを惜しんでくださって、毎日積極的にコミュニケーションをとることで患者さんやご家族と信頼関係 を築くことができて、学生の私にも少し看護ができたのかなと思いました。

Ⅲ.3年間を振り返って

M委員 Aさんに質問です。うまく時間をつくり、家事と育児と勉強と実習を両立されてきたと思うのですが、工夫やコツがあれば教えていただけますか。

Aさん

私は、ある程度は自分の両親や夫の両親の協力を得ていたのは言うまでもないことですが、普段は帰宅して子どもたちにご飯を食べさせてお風呂に入れて寝かしたらだいたい21時ぐらいなので、実習中も含めて勉強や課題などは21~24時にすると時間を決めていました。

M委員 お子さんはまだ小さいんですか?

Aさん

入学時は1歳と4歳だったので、今はちょっと大きくなって楽になりましたね。1・2年次生のときも24時までに勉強を終わらせていたし、次の日の食事も前の日に作っておきました。私は常日頃からToDoリストがあるタイプなので、まず生活の中で使える時間を把握して計画を立てて動きました。起きたときには寝るまでのスケジュールが決まっている感じです。

M委員 看護を学んで考え方が変わったことはありますか?

Aさん

入学してすぐ、看護の日に看護観について考えたときは、華やかそうできれいなものだと思っていたんですが、実習や勉強を経て、いい意味で泥臭いものだと気づきました。

Uさん

1年次の夏にドラマ『コードブルー』が放送されていたけど、現実には山Pとかいないしね(笑)。 学んだことは、院内のいろんな人やほかの職種の方とも関わりを持つことが大切だということです。

M委員 卒業前に私たち後輩にメッセージをお願いします。

Uさん

いい意味でスルーするスキルを身につけることと、プラス思考が大切だと思います。

Aさん

私は社会人として10年働き、結婚・出産し子育てして入学したからこそ言えると思うのですが、勉強するために来ているので、時間を無駄にしないで、どんなことも学びの場として楽しみながら実習や勉強ができると過ごしやすいと思います。

M委員 目標と将来の夢について聞かせてください。

Uさん

実習先で出会った指導者さんみたいに、知識と心の余裕をもっていて、患者さんだけでなく、周りの人にも優しくて頼られる看護師になりたいです。

Aさん

この学校に入学して自分の意志で学ぶ楽しさを知ることができました。看護師って生涯勉強が必要ですし、向上心をもって学び続ける看護師になりたいです。いつか強みを見つけたり、興味を持てる分野があれば、認定看護師の資格にもチャレンジする自分でありたいと思います。

K委員 本日はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました。

interview04