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看護の日記念講演レポート「今、看護学生に伝えておきたいこと」

5月12日は近代看護の祖、ナイチンゲールの生誕を記念して制定された「看護の日」です。


その5月12日の午後、本校では「今、看護学生に伝えておきたいこと〜聴覚障がいを持ちながら、医師として活動してきたことを通して〜」と題して、看護の日の記念講演を行いました。講師は29歳で中途失聴となりながらも精神科医をされている琵琶湖病院の藤田保医師です。
教務主任の紹介で講師が壇上に上がられるとき、一同は写真のように両手をひらひらと動かすという手話の拍手で藤田先生を迎えました。

みなさん、私の声は聴こえていますか? ここは静かな場所ですか?」という問いかけから、講演は始まりました。


29歳で中途失聴となられた藤田先生は今までと同じように生活ができなくなり、今まで培われてきた「自分らしさ」「自分とはこういうものだ」という概念が壊れてしまったそうです。
手話を習っても、説明そのものが聴こえない。なかなか思いが通じ合えず苦しんだご自身の経験から、「聴こえない人と同じ思いを共有したい」、「聴こえないことで受診をためらう人を減らしたい」、そんな思いで琵琶湖病院の聴覚障がい者外来を続けてこられたそうです。

先生は「聴こえなくなった世界は、想像していたものと全く違い、これからどうしたらよいのかわからなくなりました。聴こえなくなったことは克服できておらず、聴こえなくなったそのときからずっと闘い続けています。」、と「わからないさ」への対峙との格闘が今も続いているとおっしゃっていました。

講演終了後、学生の質疑応答や教務主任のことばなど、すべては最前列の中央に座っておられる手話通訳士の方が先生に伝えてくださいました。
 

聴覚に障がいを持った方と今日初めて出会ったという学生も多くいましたが、今回の講演をきっかけに、障がいの有無にかかわらず、だれもが安心して医療を受けられる環境について考えられるようになってほしいですね。(H)

2016年05月26日